名だたる秀峰がひしめく北アルプスだが、西側の立山連峰と東側の後立山(うしろたてやま)連峰に分かれ、二つの山塊は黒部峡谷を挟んで対峙している。後立山連峰は、立山や剱岳といった信仰の色濃い立山連峰の後に控えることから、そのように呼ばれている。後立山連峰は、その山稜に沿って富山県と新潟県/長野県の県境が走っていて、北端は北陸道最大の難所とされた親不知の断崖となって日本海に落ち込んでいる。一方、南方の稜線は、黒部川の源流に位置する三俣蓮華岳で立山連峰と合流し、槍ヶ岳、穂高岳、焼岳などを経て最南端の乗鞍岳へと連なりながら、岐阜県と長野県の県境を画している。ちなみに、この後立山連峰の赤沢岳(2,678m)の直下を貫き、長野県側の大町市扇沢と富山県側の黒部ダムを結んでいるのが、全長5.4㎞の関電トンネルで、立山黒部アルペンルートの一部として、トロリーバスが運行されている。深田久弥は「日本百名山..